漆黒の王マークス序章

もしも白夜ルートでも暗夜が勝利していたらの捏造のお話です。暗いです。

「祖国は白夜王国との戦争に勝利した!だか過去に祖父母起こした不祥事は現在に残っている。身分をかさにした貴族の傲慢。貧しさで親に捨てられ育ってられなかった孤児。食糧不足。他国への脅威。あとは挙げればきりがない数々の混乱を乗り越えられないものか?いな!人間の手には切り開く力がある!私はこれから暗夜王国を後世のために発展することを誓う!」

民衆の拍手が巻きおこた。

「お父さんカッコいい。」

「カンナ静かにしなさい。」

特等席に一緒に座っている弟に釘をさした。生まれて初めて見る新国王の誕生にジークベルトは感動をしていた。カンナのように感想をこぼしたい。でもジークベルトはマークスの世継ぎの子供。我慢。我慢。自分も父から新国王を継いだら人前に出ないといけない。民衆が期待と尊敬の目線を向けられるように出来るにはどうしたらいいか。

「それにしても暗夜王国国民ってたくさんいたんだね。少ないと思っていた。お母さんにもお父さんの演説見せたかったよ。」

「そうだね。母上なら嬉しすぎて泣いちゃうかもしれないね。」

赤が混じった茶髪の弟の頭を撫でた。天井には鳥かごを提げて。茨を思わせる壁画がある玉座。暗夜王国にこれから暮らすことになるジークベルトはゆっくり辺りを目で見た。禍々しい薄暗い場所だと思った。

白夜王国との戦争に勝利したことで家族と三人暮らすことになる。

だけどジークベルトとマークスは髪の色が同じでも血が繋がっていない。弟のカンナも。

続く。







ドラゴンスレイヤー4

雷神刀に勝つには槍が近道。父リョウマの刀に憧れたやんちゃな子供のシノノメはそう考えていた。秘境を出て母の率いる軍に入ってから槍を目指したきっかけをリョウマに話したことであきられていた。

「お前に雷神刀を託す日は遠すぎるな」

父の皮肉を言われてもシノノメは槍術師から剣が扱える剣士にもダークプリンスにもチェンジすることはなかった。子供の頃から続けたことをシノノメはただ捨てるのが惜しかったから。槍に強い斧と弓が弱点であっても習得した奥義で決めればノックアウト。自分には槍が半身である。剣は父リョウマだけでいい。剣も祓串を扱えてかつ竜に変身できる力を持ったダークプリンセスは妹のカンナ。弟ならダークプリンスでいい。

シノノメには刀相手でも負けない自信があった。ドラゴンキラーに斬られるまでは。

「あっ!シノノメ探したよ。」

「お兄ちゃん傷痛くない?痛かったらカナが治してあげる。」

医務室にシノノメがいないと気づいた双子が探しに来た。

「ちみっ子はもう寝ろ。ここからは大人の動く時間だ。」

しっ、しっ、と追い払う仕草を双子に向ける。目が覚めてもう一回寝ようにも眠れなかったシノノメは寝静まった城の庭を歩いているうちに考え事をしていた。

「いいのかカナ勝手に祓串持ち出して使っても?バレたら荷物係に怒られるぞ。」

「ヒノカおねえさんから分けてもらったって言うことにするからいい。」

「妹の子供の話しに合わせるからなヒノカねえさんは。」

回復が低そうな祓串を持っているのはヒノカと双子くらい。母カムイは回復を続けるうちに次のステップを踏んでいる。

「シノノメ医務室に戻ろう。ちゃんと治してもらおうよ。」

「やめろ!」

シノノメの手を掴もうとしたカンナの手がぴたっと止まった。

「負けた悔しさを蒸し返す話を聞かせるな!俺なら一人でいても大丈夫だ。槍で‥‥槍で‥」

槍の柄を握った手が震えていた。

「相手の剣士は俺よりも戦場経験も浅い下端だ。剣もだ。ドラゴンキラーじゃない刀だったら俺は、重傷を負うこともなかった!」

弟と妹にまくちたってた。

「チッ」

ひっくとしゃくりあげる声を弟が出した。あっまずいと思った時は遅かった。

「うゎぁぁん!」

カンナが泣き出した。夜中に大声で泣かれると誰か気づかれる。もしリョウマが見たら最悪だ。怪我人のシノノメを容赦なく「歯を食いしばれ」をされる。そうしたらカンナもまた泣かれる。

槍を地面に置くと両腕で双子を抱き抱える。

「物静かな場所」

シノノメは頭に行きたい場所を思い浮かべながら城の外へ走った。

城の外へ出る時に頭に行きたい場所を思い浮かべる。そうするとその通り場所に外へ出られる。

脇腹が痛いけど今はカンナを泣き止ますことしかシノノメの頭にない。カナも一人にさせられない。

続く。





























ドラゴンスレイヤー3

「シノノメ気がついた。」

目の前にカンナそっくりの天使がいた。自分は死んだのか?

「お兄ちゃん私は誰か分かる?」

天使が弟と妹にそっくりなのだな。変な剣に翻弄されて。メイドに急所を当てられて。襖が開く音が聞こえた。今度は母カムイに似た天使がー。んっ?似すぎてないか?大きな瞳から大粒の涙をこぼしシノノメをにらみつける。

「バカ!!シノノメ危険なことをばっかりして!親より先に逝くことは許しません!」

涙声混じりで叱る母。ここは医務室だ。シノノメは生きていたのだ。

パンっ!襖を豪快に開くと父リョウマが入ってきた。

「シノノメ歯を食いしばれ。」

ガッツ!言うが早くシノノメは殴られた。もう目が覚めた。ここは天国じゃない。シノノメは生きていた。

「お母さんが駆けつけるまでシノノメ危ないところだったんだよ。」

「それでサクラおねえさんとジョーカーおにいさんが大急ぎで手当てもしてもらって。カナも祓串が使えたから手伝ったの。」

「カンナ。カナ近い。少し離れてくれないか。」

双子は解説してくれたのはありがたいけど耳の近くで言われるうるさい。

「俺が剣に負けた。槍では剣に勝ってる寸法だろう?」

変わった刀を持てシノノメを襲った剣士は強くもなかった。なぜシノノメは負けた?

「シノノメ。カムイの特技は何だ?」

「竜に変化が出来ること。」

「竜には弱点になる武器が存在する。竜の鱗を斬り。竜を殺せる剣にシノノメは殺されかけた。」

「?俺竜になることが得意じゃないぞ。」

「竜に変身出来る出来ない関係ありません。母さんはドラゴンキラーが弱点です。母さんの弱点は息子であるシノノメにも受け継がせてしまったのです。」

「初めて俺の弱点に気づいたぜ。」

幼くとも竜になれる双子と同じ弱点を持っていたことに気づかなかった。

「シノノメ。槍に弱い武器使いに勝ってる過信が仇になったぞ。どれだけ槍が強くともドラゴンキラーの前では大怪我の元になる覚えていろ!」

続く。


















弟王子が幼児に!

お父様とタクミさんが若返りの水を飲んでしまったことで子供になりました。お父様の歳は17歳。タクミさんは、15歳。お二人が若返りの水を飲んだから10年分に若‥いえ幼くなりました。

若返りの水のことを教えたのは、ニュクスさん。彼女は、曰く付きの呪い関係物を調べに行こうとしたらオロチさんが ついていきました。若返りの水を飲んだオロチさんは、幸い呪いを生業にする一族の出であることと魔力が高いことから若返り水を飲んでもすぐに元の姿に戻ったそうです。

「水を飲めば年齢が上がって成長する泉でよかったのに。」

自身の呪いの代償で身体の成長が止まったニュクスさんには、若返りの水を飲んでも身体が子供のままだったそうです。

「レオン王子が魔力を暴走したことで身体よりも記憶が戻ってちょうどよかったわ。元に戻る薬を作るのを手伝ってもらて。」

お父様は、カムイさんに会わず元に戻る薬を作っていました。お父様を抱き抱えて元に戻る薬が完成したことをカムイさんに伝えにいこうとマイルームに入りました。カムイさんがタクミさんを叱りつけているところをお父様と見てしまいました。

「レオンさん子供のままですね。」

「うるさいよ。白夜の女王の呪い師の所へ来て元に戻る薬が出来たよ。」

こうして元の薬を飲んだことでお父様とタクミさんは、子供から元の実年齢に戻りました。


「残念です。お父様の子供の姿は、これで見納めになってしまいますね。」

「弟王子のお二人が元の薬を飲めば可愛いところを見るのが終わり。フォレオお手製の子供のファッションも見られなくなるのも寂しいわ。」

「こうしてタクミ様の子守りも出来て若返った気分を楽しめたぞ。だがタクミ様が子供のままでは困る」


「タクミさん元に戻れるのですよ。飲んでください。」

「イヤ。」

そっぽを向くタクミさん。カムイが元に戻る薬を半分飲む。苦くて不味い!

「毒は、入ってません。元の強くてたくましいタクミさんに戻るため飲んでください。」

「いらない!」

ガシャン!カムイの手にある小瓶をひったくり床に叩きつけた。

「僕よりも泥棒の国の兄弟が好きなカムイお姉ちゃんの言うことなんか聞きたくないよーだ!」

「タクミ王子カムイを困らせるじゃない!」

マークスが悪態をつけるタクミの腕を引っ張り持ち上げる。

「離せよ!泥棒!悪魔!ケダモノマークス!」

タクミじたばた暴れてマークスに攻撃するも手も足も届かず空中を切るばっかり。

「私のことは、嫌いで構わない。カムイは別だ。姉の言うことを聞きなさい!?」

「嘘つきの得意な泥棒の言うことなんか聞くもんか!」

喚き散らしながらタクミは、マークスの掴み腕から逃れようとした。

「ねぇ毒も入ってないだから早く元に戻る薬飲みなよ。そうじゃないとタクミ元に戻れなくなるよ。」

「タクミさんほら飲んでください。」

パシン!カムイの頬に痛みが走った。頬が痛かった。

「えぃ!」

机の上にある瓶をひったくるとカムイの足に当ててぶつけた。

「カムイお姉ちゃんなんて暗い森のコウモリの妹にでもなればいいんだ!うわーん!」

「タクミさん待って‥‥いたぁ。」

ガラスで切られた足が痛くて動けなかった。

続く。

















































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