「父になる」

目尻にむけて太くなる僕のまゆ毛。

ずっと嫌いだった。

プチプチ抜いたりいじめてきたけど、最近はちょっと誇らしい存在。


僕の赤ちゃんとよく似たまゆ毛

ねっころがって足をあげて右にゴロン左にゴロンと一人遊びもバリエーションが出てきた。


見ていると左手の方をよく動かしてるみたい。左利きかな？


赤ちゃんのテンションが上がってくるとその左手でお相撲さんがマワシをポンポンするみたいにお腹を叩く。

耳の方まで手を振り上げてポンッ！ポンッ！
短い腕だからかわいいけど結構強くて大丈夫か少し心配。


腹減った〜とか言いたいのかな。

風呂上がりは柔軟体操をするようになった。

赤ちゃんが大きくなって小学校の運動会に父として参加する日のために。

かっこいいところを見せたいからね。

赤ちゃんと二人きりになってるときに食べ過ぎたのか僕はお腹が痛くなった。

その時赤ちゃんをほっといてトイレに行って良いものかと悩んでしまった。

泣いたりしたら気が気じゃないし。


トイレならまだいいけど妻さんが病気になったり、怪我したりしたら大変だ。
きっとすぐにお手上げだ。

父はなんて頼りないんだろう。
今まであんまり考えなかったけどとても恐ろしくなった。


大事に大事に守ることが僕の役目だ。

もしやと思ったけど、間違いない。

お風呂に一緒に入ってると目をそらす。
妻さんがドアを開けて顔を出すとそっちを見てニコリと笑った。


パパ見知りか〜

恐れていたことが起きてしまった。
悪いことした覚えないのに。


妻さんと赤ちゃんはホントに仲良しだ。嬉しいけど少し嫉妬です。