仰向けに寝転がりながも、キョロキョロと首を動かせるようになった赤ちゃん。
枕に付く抜け毛が多くなったなと心配していたら、やっぱり薄くなっちゃった。ただでさえ毛が細く短いのに、後頭部に綺麗にまん丸の形ができた。
絶壁頭の娘と違い、赤ちゃんは頭の形がきれいな曲線だから枕に当たる部分も摩擦が強いのかもしれない。
妻さんに抱っこされると、その部分に目がいってしまう。こういうところも何だか不器用な感じで可愛らしい。
街を歩いていても、同じように後頭部が薄くなっちゃった赤ちゃんに目が止まるようになった。なんだか、親近感。
娘のときは産まれたときからフサフサで、それが自慢だったりした。でも、髪の毛に関係なくこんなにも愛らしく感じる。親ばかの力は偉大だ。
「ねぇねぇ、サンタさん来てくれるかな?」
布団に入った娘が興奮気味に言った。
暗くした部屋で見えないはずだけれど、娘の目が輝いているのが分かる。
明日の朝、プレゼントに気がついた娘はどんな表情をしてくれるのかな。楽しみだ。僕の目も輝いていると思う。
なんて素晴らしい時間だろう。
娘と一緒のクリスマスは今までとはまるで違った感覚。
親になって迎えるクリスマス。
「なでなでしないで!」
帰宅した僕が「ただいま」と言いながら、娘の頭を撫でたときに娘から返ってきた応えだ。
「バイキンがいるから!」
怒っている風ではなくて、楽しんでる様子。
家に帰ったら手を洗うのが約束。
だから、僕も素直に謝った。
そして、すぐに手を洗って、反撃とばかりに、いっぱいいっぱい抱きしめてやった。
2歳9ヵ月。妻さんに似てしっかり者になってきた。
今日は娘のことを叱らない日にしよう。と決めてもやっぱり怒ってしまった。
こんなに大好きなのに、とヘコんでしまい、眠っている娘にごめんね、と反省する日が続いている。
お風呂上がりにパジャマを着ようと言うと、なんの意味もなくテーブルを一周。
風邪気味だから体を冷やさないように急いで着せたい。そう思っていた僕は「何やってんの!早く着なさい!」って、言いたくなる。
その気持ちをなんとか抑えている僕の様子を伺いながら、娘はのん気に裸でテーブルを一周して来た。
娘は気が済んだらしく、大人しくパジャマを着始めた。
怒らなくて済んだときは、こうして一息の間の我慢。ちょっと深呼吸ができたとき。でも、これが難しい。大抵は大きな声を出してしまう。
赤ちゃんを仰向けに寝かせていると一人遊びしながら泡を口にためる。
妻さんと僕は、それを見つけるとスタイやガーゼでふき取ってあげる。
娘もそれを真似してよくふき取ってくれる。それだけならとてもお利口なんだけど、泡をためることまで真似をして僕たちの怒りを買うこともあった。
そんな赤ちゃんは最近、自分のこぶしをしゃぶるようになった。
指じゃなくって、こぶししゃぶり。
おそらく、お腹が空いたとか、寂しい気持ちが表れているのだと思う。
袖のところがシャビシャビになってる。
上の娘の時は、スタイは食事の時だけで済んだけど、今度は手放せなくなりそうだ。