娘の靴下を買いに行った。
ブーツの中で靴下がズルズルになることが何度もあったので、ぴったりサイズを探そうということになった。
でも、探してみるとサイズのバリエーションが意外とないことがわかった。
13センチ〜18センチとか、16センチ〜21センチとか、ざっくり過ぎるものばかり。
何となくどれもズルズルしそうで、デザインにこだわると一層選択肢が無くなった。
お店を数件見て回ってるうちに、デザインについては妥協する方向になってきた。
そんな中入ったお店で、息子がウルトラマンの靴下を見つけてしまった。
その靴下は、息子にはまだまだ大きい16センチ〜で、ラストの1個の品だった。
サイズが合っていないと説明しても理解できるわけもなく、息子は掴んで離さない。
結局、デザインを少し妥協した靴下と、サイズの合っていない靴下をそれぞれ買うことになった。
2歳半の息子と5歳になった娘との仲を見ていると、何だか暖かな気持ちになる。
けんかをすることも、もちろんあるけれど、娘は弟のことを大好きだし、息子もお姉ちゃんのことが大好きなのがよくわかる。
僕が娘に厳しい口調で話していると、息子が何気なく僕と娘の間に入って来ることがある。
助けようと思ってるのかもしれない。
妻さんから聞いた滑り台の話がある。
息子はまだ滑り台になれていないところがあって、上には登れるけれども、一人で滑れない。
だから、せっかく登っても下にいる妻さんに「がっこ」(抱っこして)と言ったそうだ。
そこで、妻さんは、上にいる娘に一緒に滑ってもらうことにした。
娘も誰かと一緒に滑るのは初めてだったから、妻さんが「後ろに座って」「しっかりつかんであげて」とあれこれ指示しなければいけなかった。
弟を抱える手は、かなりぎこちないけれど、ようやく二人で滑り降りるかたちだけはできた。
そこで、娘が「前に進めない」と言う。
妻さんが「おしりで進んで」って教えても娘には理解できなかった。
もぞもぞ動くうちに、遂には息子だけが一人で滑り始めてしまった。
安心していた息子はとても驚いた様子。
でも、 結果的には楽しんだみたいで、すぐに再び登った。
そして、まさかの「がっこ」って言ったって。
妻さんは今度こそと娘に指示を出して、再びぎこちない手で弟を抱えるところまではきた。
そこで案の定、娘が「進めない」。
あれこれ試しているうちに、また息子だけが滑り始めて、息子が驚いた様子。
僕は、この話を聞きながら、ぎこちなく弟をつかむお姉ちゃんの様子が目に浮かぶようで、大いに笑った。
いい姉弟だと思った。
「おばあちゃんにカーパ貰ったよ」
と、娘が嬉しそうに教えてくれた。
僕は、カーパってなんだろう、と思ったけど、とりあえずヒントを得るために続けて話を聞いた。
話によると、もうすぐ5歳の誕生日ということで、田舎のおじいちゃんとおばあちゃんが、服を送ってくれたようだ。
服というところで、僕は「パーカー」だと気が付いた。
「それ、パーカーじゃない?」
娘は「パーカーじゃないよ。カーパだよ」って言った。
息子は意味もわからず「カーパだよ!」と娘を応援していた。
僕が「じゃ、カーパでいいよ」って言ったとき、娘は、ばつの悪そうな顔をして「わたし、パーカー」とあっさり息子を裏切った。
その後、妻さんにこの話をしたら、貰ったのは「カーディガン」だということがわかった。
全然違うやん。と突っ込んで笑った。
息子のウルトラマン熱がさらに加熱中だ。
「おとうさん、アントラン、ガシャンガシャンやって」
「ていやー!」「キック!」と格闘が始まって、お決まりの決めポーズもバッチリかわいい。
怪獣が息子を両手で挟むと必死に逃げて、「ビーム!」
怪獣がぶっ倒れてしばらく動かないでいると、近づいてきて様子を見に来るところもまたかわいい。
お昼寝のときにはおじいちゃんにもらったウルトラマンを並べて満足そうなのもまた、ウルトラかわいい。
新幹線を使った2泊3日の小旅行に行った。
新幹線が好きな息子は、初めて実際に乗って、どう感じただろうか。
駅弁作戦は大正解だった。
駅弁作戦とは1時間少々の車内で子供たちが騒がないようにするための作戦。
うちの子たちは何かを食べているときが一番静かだから、往復の時間帯を昼ご飯時にあわせた。
それに、僕も妻さんにとっても駅弁は久しぶりで、駅弁を選ぶところから大いに楽しむことができた。
旅の目的は、雪遊び。子供たちのもう一つの「初体験」だ。
娘は人一倍ビビりなのでソリ遊びを怖がるかと思いきや平気だった。
僕の前に乗せて少し滑ると、もう自分だけで滑れるようになってしまった。
息子も一人で乗せてみたら途中で脱出を図って転んだ。
その様子が可愛くて二回もやらせてしまったのは悪かったと反省した。
天気がとても良くてよかったけど、良すぎて暑かったのと、ゴーグルやサングラスを忘れたのは痛かった。
何はともあれ、旅はやっぱり楽しかった。