「父になる」

久しぶりに会社のお休みが取れたので赤ちゃんの二回目のインフルエンザ。
土曜日はすごく混んでる病院だけど、さすがの平日で空いていた。

ついでに、赤ちゃんの銀行口座開設もできて、平日の休みを有意義に過ごせた。

何より、ランチで入ったレストランで、赤ちゃんがベビーカーでぐっすり眠ってくれたから、久々に妻さんにゆっくりできる時間が作れたのがよかった。

そういえば、赤ちゃんが産まれてからは外食も簡単にすませられるものばかりだった。

今回はピザ食べ放題でお腹いっぱいまで満喫できたかな。

いつもどおりお風呂にはいって、
いつもどおり赤ちゃんを膝の上にのせて、
いつもどおり洗ってた。

僕がシャワーを止めたりしているとき、赤ちゃんが持っていたオモチャを落とした
赤ちゃんが取りに行こうとして体を大きく横に向けた。

一瞬のことだ。

赤ちゃんがお風呂の床に頭から落ちた。
すごい音がして妻さんも驚いて飛んできた。
赤ちゃんは大泣きしている。
僕はすぐに抱き上げて、すごく後悔して、大事にならないよう祈るしかできなかった。

おでこにたんこぶと、床の模様のキズ。血は出なかった。
ごめんね。ごめんね。って赤ちゃんにも、妻さんにも申し訳ない気持ちに自分を責めた。

いつもどおりのつもりだったけど、ただいつも上手くいっていただけだったのかも、
成長してからだが大きくなって、いつもどおりでは済まなくなっていたのかも、

赤ちゃんを抱き上げる責任の重さにいつの間にか慣れてしまっていた。


赤ちゃんはケロリとして笑顔も見せてくれたけど、やっぱり心配だ。
いつもより寝付きがいいような気がするだけでも心配が膨らむ。


ほんとにごめんね。
ずっと元気でいて

もう後悔したくない。とりあえずお風呂用のベビーチェアはすぐに買って届けてもらった。

赤ちゃんのた気を引くために、唇をブルブルさせる。

ぶるるる〜ってやるとニコッとしてくれる。

顔を拭くとき、はなの穴を掃除するとき、泣いちゃったとき。


最近、赤ちゃんもぶるるる〜って、真似するようになった。
とってもかわいい。しきりにやってる。
ヨダレまみれになって、ぶるぶる

僕の気を引くとき、妻さんの気を引くとき。
妻さんも僕もニコッとする。

ぶるぶるってすごい。

先週末は初めて赤ちゃんと二人っきりだった。

前の日の夜は赤ちゃんが夜泣きした。
いつもはぐっすり寝てくれるのに、少し不安なスタート。

でも朝は妻さんを見送ってもしばらくよく寝てくれたし、起きてからもミルクや離乳食も順調だった。

たぶん赤ちゃんにはお父さんが頼りないのがバレていてお利口にしてくれたんだろう。

つくづくかわいい子だ。

とはいえ、妻さんがいつもしている掃除や洗濯、料理、買い物なんかを全部すっ飛ばして、ただ一緒に遊んでいただけだから、自慢にもならない。

妻さんとしては僕がもっと大変な思いをして、苦労を分かつて欲しかったみたいだったから物足りない様子だけど


読もうと思ってテーブルに出しておいた本は、結局妻さんが帰って来るまで一回もひらけなかった。

「毎日気が抜けないな。大変。」

知らないうちに妻さんに頼り、任せっきりになっていることに気が付いた。

妻さんが帰って来たときには「余裕だったよ」って強がったけど、

ありがとうの気持ちを忘れないように、再確認できた。

今週末はドキドキだ。
妻さんが友達の結婚式で出掛ける。

赤ちゃんと二人っきりになるのは初めてだ。

妻さんに頼りっぱなしの僕だから、きっと何かが起きると思う。
何が起きるのか。
楽しみだ。