娘は負けず嫌いなようで、じゃんけんを教えてあげた当初は「次はグー出してね」などとじゃんけんの前に必ず注文をした。
お友だちと遊んでいるときには、注文はできない。だから、じゃんけんになったら、娘は戸惑って、遊びの流れを止めてしまったこともあった。
それから特訓して、やっと、相手が何を出すのかわからないじゃんけんができるようになった。
そんな様子を見ていたのか、息子がじゃんけんの真似をする。
「最初はグー…」って始めると、息子は腕を振ってヤル気満々だ。
「じゃんけん、ぽん!」
息子は必ず人差し指だけを立てて、1のポーズ。
娘はチョキでもパーでもグーでも「勝ったー」って。
娘は息子相手なら必ず勝てるから楽しげだ。
幼稚園の夏休み、娘がアサガオを持って帰ってきた。
ツルがたくさん伸びても大丈夫なように、娘の背くらいある支柱が付いていた。
水をあげるのは夏休みの娘の仕事。
おもちゃのぞうさんジョウロを使った。
娘の水のあげ方は葉っぱ重視なので、鉢からたくさんの水がこぼれてしまう。
僕が一緒にいると、見ていられなくなって、どうしても口や手を出してしまった。
僕の家のベランダは、日が当たるのが昼すぎからだから、内心では、きちんと育つかどうかとても心配だった。
だけど、アサガオは、僕の心配をよそにツルを伸ばした。
支柱を越えて、巻き付くところを探している。
朝起きて、カーテンをめくるのが、楽しみになった。ひょっとしたら娘より楽しんでるかもしれない。
田舎に帰るときにはアサガオも持っていかなければ。
花が咲いたら、娘は喜ぶだろうな。
その様子を見るのが一番の楽しみだ。
連結して、整列して、今度は積み上げも。
息子に無限の可能性を感じるのは僕だけかな。
そんな息子が、僕がソファーで横になっていると僕の口に顔を近づけて来て、危うくキスするところだった。
驚いたけど、とっても可愛い。
でも、子どもたちが親の僕たちを健気に相手にしてくれるのは、小学生に入るまでかな。
そうだったら、あと少ししかない。
妻さんともこんなことを話して、しみじみとした。
電車に興味を持った息子に、連結ブームが来た。
ミニカーや飛行機のおもちゃを並べてみる遊び。
完成したら、「あっ!あっ!」って。
たぶん「見て見て!」ってことだと思う。
走っている電車のおもちゃの前にも、車や飛行機を置いて脱線させたりするのが好きみたい。
まるで、線路に置き石するカラスの遊び。
繋げることが、今は楽しい。
子どもたちが好きなことを持ってくれる、ということが嬉しく、新鮮な感覚だった。