ここ2、3日、娘が早起きした。
むくっておきて、「おかーしゃん、おとーしゃん、おっきしてー」って、なにやら不機嫌だ。
妻さんはただでさえ朝忙しくて、朝のうちに片付けたい家事があるのに、娘が起きるとすべての予定が狂ってしまって大変みたいだ。
でも僕は、内心とても嬉しかったりする。会社に行く前に抱っこしたり、お話ししたりできる。
会社に着く頃、妻さんからメールが来た。僕を見送ったあと、寝ちゃった。
やっぱり眠かったんだね。
起きてくれてありがとう。
そして、妻さんには、ごめんねだ。
夜、今日なにしたの?って娘に聞くと、「おしゃかな、みた。」って目を輝かせながら一生懸命話してくれた。
「へー。すごーいねぇ」
いつまでもこんな話ができる父になりたいなって思う。
僕は親バカだなと改めて思った。
スマホに保存している娘の写真を妻さんと見ていたときに、ふと昔の写真を見ようという気になって1年前の写真を見た。
何だか変な感じがした。
思いきって思っていることを口に出してみた。「昔より今のが可愛いね。」
妻さんも同感だったようだ。
当時は当時で、我が娘ほど可愛いものはないと信じていたのだけれど、今は今の方が可愛い。
つくづく親バカだな〜と、妻さんと確認しあった。
妻さんの実家から、おいしい雪下にんじんが送られてきた。
その日の晩ご飯にさっそく食卓に並べてくれた。やっぱり野菜スティックで食べるのがおいしい。
妻さんは娘用に、より細くした野菜スティックを用意し、少しだけのマヨネーズをお皿に乗せてくれた。
そしたら、娘は、にんじんを鉛筆のように持って、マヨネーズをほんのちょこっとだけ付けて、かぶっ。
かじるのかと思ったら、にんじんは食べないでマヨネーズだけ食べた。
その様子に妻さんと僕はビックリ。どこで覚えたのかな。
「ダメだよ」って、きちんと教えてあげなければならない場面かとも思ったけど、慎重に慎重に少しだけ付けて食べる様子が、何だか面白くて、見守ってしまった。
マヨネーズがなくなったら、にんじんを全部食べた。一緒に食べた方がおいしいと思うのだけどな。子供の考えていることはわからない。
日曜日にようやく退院。妻さんと娘は結局5泊することになった。
退院の日は春の嵐。雨はなかったけど物凄い風に吹かれて、あれだけお外に出たがっていた娘も、病院から車の数メートルの間で、ショックを受けたみたいで、車中ではすっかり黙ってしまった。
風に吹かれる健気な娘に、妻さんも僕も笑ってしまった。笑えることがとても嬉しかった。
家に帰って、ほーっとしたら、どっと疲れが出たので、さっそくお昼寝。
日曜の昼下がりに、3人並んでのお昼寝は最高の時間だった。ようやく取り戻した僕の宝物。温もりが心を満たしていくのがわかった。