靴が嫌いな娘は、履かせると一歩も動こうとしない。
何とか歩かせようと手を引っ張って一緒に歩いたら操り人形みたいだって、妻さんが笑ってた。
でも、以前みたいに履いただけでは泣かなくなった。
少しずつ成長してる。
おまるを使うようになって、すぐに補助便座になって、オムツの消費がぐんと減った。
朝起きて、オムツが濡れてないときもある。
補助便座に座らせてお腹の辺りをさすってあげると、ちっちが出る。
オシッコしたいときは、「おっ。」と言って、お腹に手を当てながら、自分でさするマネをする。
トイレに関しては今のところ優秀な娘だ。えらいえらい。
だけど、「おっ。」っと言っても、オシッコが出ないときもある。
妻さんと僕の食事中も、よく「おっ。」って、お腹をさすってみせる。
妻さんはそのたびにトイレに連れてってくれるけど、昨日は一度も出なかった。
オシッコが出なくてもトイレの上でご機嫌な娘は、妻さんの顔を叩いたり、引っ掻いたり。
最後には「漏らしちゃいな」って、言いたくなったけど、妻さんは負けなかった。えらいのは妻さんだ。
いつのまにか伝い歩きも立派になってきた。
正方形のテーブルを伝って、一周するのも楽々出来る。
昨日は両手を掴んであげて初めて前に歩く練習をした。
ぎっくり腰が完全に治ってなかったけど、娘の人生初めての一歩に、痛みなんて感じなかった。
そろそろ手をつないでお外での散歩もできるかな。
街で出会う、よちよち歩きの子どもを見ては、妻さんとかわいいね。って言ってた。
娘とならより一層かわいいに違いない。
その前に、靴嫌いを克服しなきゃいけないけど。
ケホケホなってからずっと苦手だったストロー。
何度差し出してもイヤイヤして、腕で払いのけられていたけど、1歳2ヵ月になってようやく成功した。
立ち寄ったインド料理屋さん。
ダメだろうと思いながら、持ち込んだパックのキシリトールウォーターを差し出すとすんなり口にくわえ、吸い付く感覚が伝わってきた。
妻さんは大喜びだった。僕も嬉しかったけど妻さんは僕の3倍は喜んでいた。
夏にストローが使えないと水分補給に困る。妻さんはしっかり先のことを心配してくれていた。
さすがだな。
僕たちがあまりに喜ぶので娘も嬉しくていっぱい飲んでくれた。
飲み過ぎてお腹壊さないように、心配は尽きない。
お話ししようと娘を膝の上に乗せて向かい合っている時、娘は後ろに置いてあったカメラを見つけ、「ドゥ?ドゥ?」って言いながら、指差した。
たぶん「取って」ってことだろうと思って渡してあげるとニコ〜って、超嬉しそうな顔をして受け取ってくれた。
娘の笑顔。どこでこんな素敵な笑顔を覚えたのか。神様がくれたとしか考えようがないと思ってる。
カメラを興味津々でいろいろ触ってる娘に、「カメラ」って教えてあげた。
すると「ドゥダァ」って言った。
最近は真似するようになったけど、まだ上手くない。
違うよ、「カメラ」だよ。
やっぱり「ドゥダァ」
「カ・メ・ラ
」
「ドゥ・ダァ
」
何回教えても変わらなかったけど、あまりに愛らしいからドゥダァでもいいかなって気になった。
今度は「だーいすき!」って言うと、
「ダーチ!」だった。